Prof.Fjordの脳内散歩。

大学生が日頃考えていることを文章にするだけの、自己満足ブログ。

明日のたりないふたり

78本目。凄いものを見た。

明日のたりないふたり

※ネタバレは極力無いように書こうと思っていますが、ネタバレとなる箇所がもしかしたらあるかもしれません。ライブ視聴後の余韻で書き進めています。

5月31日、北沢タウンホールにて、南海キャンディーズ山里亮太とオードリー・若林正恭による漫才ユニット、たりないふたりの無観客オンラインライブ、「明日のたりないふたり」が行われました。僕はこの近辺は休む間もないほど課題に追われていて(今も追われているんだけど)、当日はリアタイすることができませんでしたが、数日後、アーカイブを視聴しました。たりないふたりは2009年にお笑いライブで誕生し、そこから日本テレビで番組化して、2年前の横浜でのライブ、2020年の春夏秋のテレビ放送、その後のゴタゴタ(色々あった)を経て今回のライブに至ります。僕は2019年の横浜のライブと2020年の春夏秋の放送のみ見ています。2019年にオードリーのオールナイトニッポンを聞き始めたのがきっかけです。今回のライブで解散とのことなので、どのようにこのたりないふたりに終止符を打つのか、つい数ヶ月前までラジオでゴタゴタしていたものですから気になっていました。

有料オンラインライブですから、あまり中身には触れられませんが、端的に言えば、本当にエモーショナルで勇気をもらえる2時間でした。どこまでが台本でどこまでがアドリブなんでしょうね。とにかく2人が楽しそうでした。魂込めた言葉を全力でぶつけ合って、終わった頃にはクッタクタになって、そこに最高の演出が加わって…という感じでしたね。

 

コンプレックスを抱えるとどうしても自分のことが嫌になって、妬み嫉みの嫌な目線で下から関節を取りに行きたくなってしまうのはある意味正常な人間の機構なのかもしれません。周囲の人から見たらあれもできてこれもできて何も問題ないなんて思われていても自分はあれもできないしこれもできないと思うのが極めて真っ当な思考なんだろうなと思います。

これは自己正当化でもなんでもありません。人間はあれができたらこれができないようになっているんですよ元々。それができる人たちがそれをできない人を挙って攻撃して、あれができるようになれ!!だなんて言葉を吐くんですけど、それができない人は元々それができないし、なかなかできるようにはならないんですよね。

できないことは成長のないことだと思ってより自分が嫌になるきっかけとなってしまいます。でも、多少割り切らないといけませんね。できないことができるようになればそれが1番良いんでしょうけど、そうはならないと悟ったならば、見切りをつけるのは選択肢としてあるべきだし、その選択肢を受け入れるのは何も恥ずかしいことではないのかなと思いました。

完璧な人間が完璧に生きるのではなく、不完全な人間が不完全に生きるから、予定調和が崩壊して、物語が始まる。様々な人間が様々なことを考えて、様々な人の考えた通りにいかなくて、なんだかんだ生きている。僕は失敗するよりは成功したほうがよっぽど良いと思って21年ほど生きてきましたが、必ずしもそうではないのかなと思い始めました。

身長は高いほうが良くて、筋肉はそれなりについている方が良い、顔は整っている方が良くて、髪型と服装はオシャレな方が良い、勉強はできる方が良くて、性格は良いほうが良い。いやいや、そこまでは求めてないから、星野源くらいの顔と背丈と才能があればいい。

どこかしら足りないところはあって、そこを補おうとして全く補えないのが普通です。仮にそれらを全部持っていたとしても、ひたすらに自分の足りないものを探し求めて、やっぱり俺にはこれができない!と思い悩むのが極めて普通です。でも、それで良いって肯定してくれるのがあの2人なんだろうなと思います。

いわゆる「足りてる」人も、足りない部分はあるはずです。「足りてる」人は、多分足りないことに気づいていないか、足りないことに無関心なんだろうなと思います。「足りてる側に行く」ということは、「足りないところがなくなった」ということではなく、「足りないことを見ないようにする」ということなのかなと勝手に解釈しています。

あの2人はそれぞれ間違いなく芸能界のフロントランナーです。結婚もして、たくさんの仕事を任されて、これからも絶対に必要とされ続けるはずの2人です。しかし2人とも全く足りていません。足りないなと思って出会って12年、結局全然足りないまま12年が過ぎていきました。

そして出した結論が、最後のあの言葉でした。

あの2人があの言葉を言ってくれるなら、僕はこれからも変わらずに頑張れそうです。もちろん変わらなきゃいけない部分はあります。でも、変えよう変えようと思った結果変わって自分を失うくらいなら、変わらずに生きるほうがずっと楽しいでしょう。しんどい思いをしてたりない部分をなくそうと努力して、窮屈な思いをするくらいならたりない部分をたりないと笑える方が良いはずです。

誰しもプライドが高いからできないことをできないと言いたくないはずなんです。でも2人はできないことをできないと言ってくれた。12年経っても変えようと思っても変わらなかったし、変わらなくても良いよと言ってくれた。この言葉に救われた人、胸を打たれた人はかなり多いはずです。世の中が緊急事態という状況でも、無観客配信という手段でこの言葉を届けてくれたことに感謝を伝えたいです。

今回のライブで解散ということみたいですが、たりないことを指摘されてクローズするのを、差し迫ったときにまた見たいななんて虫のいいことを言っておきます。最高のライブでした。

 

余談

某prgrmngのレポートのpdfが30ページ近くいってしまいました。プログラムリストも全部書いていたらこんなことになってしまいました。絶対に自分がおかしいはずなんですけど、にしてもどうやったらこんなに長くなるのかなと思いました。あと1本あるみたいなんですけど、どうなるんでしょうか…